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久米島からのレポート

久米島からのレポート

 
2006年11月09日(木)
今年で3年目の、久米島町教育委員会主催、

沖縄県南部農林土木事務所共催の

カンジンダムでのリバーウォッチングに

久米島ホタルの会は、参加協力しています。


この活動に関わるのは、カンジンダムの上流に生息している

クメジマボタルを保護することは、もちろんですが、

何よりも、水をめぐる自然環境の中で、私達人間の自然への関わり方が、

全ての生命・生態系の多様性を未来に向かって保持し持続するという

生存に関わる大きなテーマとして、

できるだけのことを行いたいという考えの中、

地元でできる取り組みのひとつだからなのです。


カンジンダムは、農業用水を利用する農家の方々のために

沖縄県の税金を投入され造られました。

通常のダムは、上流にある川を堰き止めて造られることが多いのですが、

このカンジンダムは、地表潅水型地下ダム という世界で唯一つの構造をした

特殊なダムです。

しかし、懸念される問題に地域住民の生活排水も流れ込み溜め込まれる

位置にあるため水が汚れてしまいます。

県から、水をきれいにしたいのだが、予算は限られているため

なにか方法は無いものかと、例えば棚田は可能だろうかと、

当初ホタル館へ相談がありました。

そこで、棚田だけでなく、生物の力を借りた自然浄化システムとして、

ホタル水路や湿地も同じような働きが期待できるので、

それらをうまく組み合わせた浄化能力に優れたシステムを

流れ込む川の状態に合わせてゾーニングしながら造ってはどうかと、

提案しました。


.曠織訖縅と湿地棚の組み合わせ

ホタルが生息する河川の流れ込み口にあたる場所では、

ダム湖への流出防止を兼ねたホタル水路を設置し、湿地を樹木で覆うことで

ホタルを生かすために富栄養物をゆっくりと浄化しながら通過させます。

その後、湿地棚(棚田を湿地に再生する)へと合流し、吸収されず残された

富栄養分をさらに取り除いていくという、生きものの繋がり(食物連鎖)

を利用した除去法を行います。

もちろん、繁茂しすぎれば草刈を行い、水草も取り除きます。


⊆消話の徹底管理

クメジマボタルが生息できない

畜産排水や生活排水による富栄養化が進んでいる川の流れ込み口では、

ヨシやヒメガマなどを植栽し、徹底した植生管理を行いながら、

微生物分解と分解物の植物への吸収に期待しながら、

定期的に除水草や草刈を繰り返すことで富栄養分を取り除きます。

もちろん、多くの生きものが生息できる湿地環境を目指します。


E租的棚田の復活

クメジマボタルが生息できない

川沿いに大規模に畑が広がり、雨が降ると大量に肥料や農薬が

赤土に混じって流出する、生活排水も流れ込む川の流れ込み口では、

稲や田芋など田んぼで栽培できる作物を、昔ながらの農法により、

上流側から流れ込む富栄養分を取り除きます。

当面は、通常の田んぼを経営し、広域の棚田を維持します。

ボランティア団体で管理運営できるよう計らいながら、将来は

栽培法をダムの水を浄化するのにふさわしい経営法、すなわち、

無農薬不耕起栽培で行う伝統の棚田の復活を目指します。


このように、作物や自然の生きもの達をダムの周囲を囲むように配置し

流れ込む水がゆっくりと配置された作物や生きもの達に取り込まれ、

浄化されたあと最終的にダム湖内に集まるという方法を提案し

それは、巨大な棚田として実現し造られたのです。

しかし、それは、

浄化システムを担う様々な生きものを順次導入する必要もあり、

また、富栄養分を取り込んだ植物を定期的に取り除き、

かつ、樹木を大きく育てながら、酸欠にならないように影を造って

低水温を維持することで、生かすことができる生きものの生息場所の

確保や、移動性の弱い生きものを導入したり、

野鳥を確保して人が立ち入らない場所をつくらなければならないなど

常時、自然環境への目配りが必要になります。

               放流するために準備したフナ

生物の食物連鎖を利用した天然の浄化システムという方法は、

コストは、かからないかも知れませんが、軌道に乗るまでは、

細やかな対応が常に必要です。

それに、いくら生物で浄化するといっても、

赤土対策が十分でない農地の経営や生活排水をそのまま垂れ流す

ような生活様式では、巨大な棚田をいくら配備しても

とても浄化はできません。

そこで、沖縄県では、久米島住民の環境への姿勢を変えるために

様々な取り組みを行うことになりました。

その一つが、リバーウォッチングの推奨です。

  
           放流や植栽するための準備をするスタッフ

久米島町教育委員会では、この県の取り組みを踏まえて、

何よりも地元の子供達が、島の自然環境に興味を抱き、学習面での

効果を期待すると共に、クメジマボタルが生息する島の貴重な自然を

みんなで、守り育てていく心を育んで行こうという想いから

久米島ホタル館、久米島ホタルの会の協力と共に沖縄県環境保全課の

学習システムを導入して実行しています。

この日も、この活動のために、協力してくれた方が沢山います。

ここまでたどり着くために、本当にいろいろなことがありました。

今年で3回目を迎えることができホタルの国からに書いているような

成果が見られ始めました。

この成果は、この先の活動への励みにもなりました。

まだ、始まったばかりの自然浄化システムを起動に乗せるため

多くの方々のご協力がまだまだ必要です。

どうか、このダムの水が本来の目的であるきれいな農業用水として

生かすことができるよう、ご理解していただきたいと心から願っています。


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しまんちゅレポーター

佐藤 直美
著者:佐藤 直美
久米島ホタルの会
事務局代表
◆久米島ホタルガイド
◆久米島ホタルの会
◆ホタルの国から

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