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久米島からのレポート

久米島からのレポート

 
2006年06月06日(火)
2日目の夜間も、監視を続けてくれた方々がいました。

それを知らせてくれた方から、イルカは衰弱している様子で、

港の船を止めるロープに尾びれを絡めて動けなくなったところを

カヤックで近づき、助けた人もいたと聞きました。

また、船の後を追いかけて、一旦は沖のほうまで出たらしいのですが

同じ船を追いかけて再び港へ入ってきたという話も聞きました。



3日目の朝9時過ぎの電話から『漁民が、助けたいと言っている』

これは、住民からの要請という吉報となります。

急いで港に行くと、既に3人のダイバー(内一人は協会長です)

が、イルカと触れ合うように泳いでいます。



船上からイルカに餌をやっている漁民へは、

餌付けの恐れがあるため、止めましたが、

「捕獲判断はイルカと触れ合うダイバーの感覚を大切に。」

という東さんのアドバイスもあったので、泳ぎは続けてもらいました。

沖まで、一緒に泳いで連れ出せたなら最高、

しかし、再び港に入り込まないくらいの遠くに

連れ出すことができるかどうか・・・。

「捕獲の際、水から上げたイルカが

自らの体重を感じたショックで死んでしまうこともある。」

東さんの言葉が、重く圧し掛かります。


その後もしばらくは、東さんからの指示をダイバーに伝え、

ダイバーからは、イルカの状態を東さんに伝えました。


中でも、衰弱が心配されたイルカの体調は、

ダイバーからの、身体にぬめりがないという情報から、

状態が良いという判断になるなど、

直接触れなければ解からないことがあり

ダイバーには本当に感謝しました。
 
2006年06月06日(火)
イルカは警戒心がなさそうに、ダイバー達と泳いでいます。
しかし、ちょっとでも誘導しようとすると、するりと逃げてしまいます。

そのうち、子供達が港に飛び込み仲間入りを始めます。
遊泳に長けた大人たちが見守り、イルカとのめったにない
競泳を楽しんでいます。


(この時点では、イルカとのコミュニケーションのつもりでしたが、
 実は、この子供達のパワーが、イルカが港を出て行くきっかけを
 作ったのです。)

元気に泳ぐ、イルカと触れ合ったダイバー達は、
私を含めた見守る人々の応援を受け、
本格的に救護活動へと動き出します。

捕獲するには、一回勝負になるため、当然慎重になります。
捕獲用の網の準備、有志のダイバーの確保
(皆仕事を抱えていますから・・・)
船の手配や関わる人の安全について、・・・etc。

慎重になればなるほど、捕獲救出のスピードが鈍くなるのは
こういった事情が、ほとんどです。
(実際、安易な行動による事故が起こっていますから当然です。)

それでも、動こうとしてくれたダイバーの人柄に頭が下がります。

私とダイビング協会の会長は多くの人の知恵を借りるため、
3時間後に再度集まることにして一旦その場を引き上げました。

捕獲のリスクはイルカにも関わる人にも高いため
緊張と不安で私も会長もいっぱいでした。

その不安を、軽々と押しのけた連絡が、通信員から入ったときには、
思わず、「よかった〜!」と声に出してしまいました。

それは、昼過ぎに、3人のダイバーがイルカを泳いで誘導し、
港内から出したという連絡です。
(準備をしていた人たちは、肩透かしをくらってガクッと
 したかもしれませんが、イルカの無事を知って
 事情がわかれば、きっと喜んでくれるはずです。)

そのダイバーは、朝から付きっ切りの2人と、ダイビング協会員の
ダイバー1人、船で付き添ったのは、やはり関心を示してくれている
あの漁師さんでした。

しかし、湾外に出たイルカの背びれが堤防からまだ見えていたため、
東さんに相談したところ、
「無理は承知で、こんどは沖まで誘導してみてください。」
最善策ですが、こんどは外洋なのでダイバーの安全と体力が心配です。

それでも彼らは有志6名で船を出し、イルカの無事を確認してくれました。


ベテランダイバーの
「ここからなら沖のトンバラに向かうはずだから大丈夫。」
という一声に全員安堵の笑顔が広がり、港へ帰ることができました。

 
2006年06月06日(火)
こうして、3日間の銭田漁港内でのイルカ騒動は、
最高の解決法で終了することができました。


このような終結を迎えることができたのは、
何よりも美ら島水族館の東さんからの的確なアドバイスと、
久米島ダイビング協会の会長や関わりを持ってくれた人々の
協力がなければ絶対にありえませんでした。

本当に多くの必然と偶然が
微妙なタイミングで幸いしたと思います。

多くの見学者が昼も夜も見守ってくれたことで、
イルカの安全が確保されました。
これは、報道してくれたことが幸いしました。

イルカを心配して一緒に泳いだことで、
信頼感が生まれ沖まで誘導することができたのも、
リスクの高い捕獲に比べイルカにとって幸いでした。

別な見方をすれば、
勇み足だと思われる引率したダイバー達の行動も
海で働くという経験がなければ、できなかったことだと思います。

そして、意外だったのは子供たちのパワーをイルカが嫌がったこと
でした。(本来は、音を出して追い出さなければいけないので。)

これ以上長くいると餌を与えたり情が移ったりすることで、
妙に懐いてしまい、自然に帰すタイミングを失ってしまいます。

それが、子供達のパワーにイルカが疲れ、逃げ出したくなったところに、
朝からずっと寄り添ってくれたダイバーに助けを求めるかのように
港の外へついていったのではないかと思います。

泳いで連れ出してくれたことは、なんと言っても功労者です。
本当にご苦労様でした。イルカもきっと感謝していると思います。

最後に、工事現場でもあり、漁港という場所で様々な方が訪れ
怪我も無く無事に解決できたことを感謝し、
久米島安全対策協力会ダイバーの皆さんや、
漁民の皆さん、工事関係者の方々や温かく見守ってくださった
地域住民や観光客の皆様に、厚くお礼申し上げます。



3日間に亘る様々な人々のつながる想い『イルカを助けてあげたい』
という気持ちが今回実ったことが、久米島町自然公園監視員としての、
何よりの喜ばしい成果となりました。
御心配頂いた皆様、本当にありがとうございました。

              

本ページ「久米島からのレポート」掲載情報の著作権は、佐藤 直美氏に帰属します。
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しまんちゅレポーター

佐藤 直美
著者:佐藤 直美
久米島ホタルの会
事務局代表
◆久米島ホタルガイド
◆久米島ホタルの会
◆ホタルの国から

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