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久米島からのレポート

久米島からのレポート

 
2008年02月27日(水)
久米島ホタルの会員で、ウミガメの調査研究を行っている

平手康市さんから、以下のメール連絡が入りました!


『今回グアム島から衛星追跡装置を背中につけた
 アオウミガメが、久米島はての浜付近にいるとの連絡がありました。



 このカメはグアムのココス島で7回産卵したようで、
 久米島付近には餌を喰いに来ている様です。

 もし、ダイビング中に背中に携帯電話みたいな機械をつけたカメが
 いましたらご連絡いただけると幸いです。


 また、可能であれば写真も撮影していただけないでしょうか。』



久米島近海で、ダイビングをなさっているダイバーの皆さん
この追跡装置を着けたアオウミガメを目撃することがあれば、
ぜひ、下記の連絡先まで、お知らせください!
どうか、よろしくお願いします。

沖縄県水産海洋研究センター
Okinawa Prefectural Fisheries and Oceane Research Center

〒901-0305 沖縄県糸満市西崎 1-3-1
Tel : 098-994-3593
Fax : 098-994-9703
http://www.pref.okinawa.jp/fish/

主任研究員 平手 康市
Chief Researcher Koichi HIRATE

久米島ホタル館
〒901-3123 沖縄県久米島町字大田420
   Tel・Fax : 098-896-7100 
    e-mail : kumehotaru@yahoo.co.jp

館長 佐藤文保 自然公園監視員 佐藤直美

 
2008年01月01日(火)
新年、あけましておめでとうございます。

昨年は、久米島からのレポートを、

なかなか掲載することが出来ませんでした。

久米島レポーターとして、大変申し訳なく思っています。

今年は、この小さな島からの大切な自然環境のレポートを

お伝えできるよう、がんばりたいと思います。


この風景は、

久米島の冬の季節の白瀬川、源流の清らかな水の流れです。


この美しい風景を、多くの皆さんの支える力で、

保全保護してゆく過程と、その実際に生存する多くの自然環境が、

未来の地球環境に残せる大切な自然遺産になると信じて、

今年も、一生懸命活動していきます!

皆さん、ぜひ、久米島へ、その活動の関わりに来てくださいね!

心から、お待ちしています!
 
2007年09月01日(土)
今年の夏休みもとうとう終わりました。

こども達は、元気に学校へと通い始めています。


いつの頃からか、夏になると

どこまでも強く明るい日差しと浮かれて華やぐバカンス気分が、

鮮明であればあるほど、払拭できない戦争という影の輪郭が、

陽炎の揺らぐ熱い空気と、線香の青い煙を、緩やかにまといながら、

決して消えることのない強い憤りとして、蘇えります。



今、尚、基地のあるコザの町、

沖縄という地で生まれ育った私には、戦争に駆りだされた父と

遠い外国で移民となって暮らした母の体験が

戦後でありながら、戦後とはいえない

沖縄の深い悲しさを、常に身近に感じさせているのです。



もう、随分昔のことですが、

夏休みにお盆で集まる小さな私や、年の近い従兄弟達は、

戦争で手や足を失った叔父や叔母に会うことが

とても、恐ろしかったことを覚えています。



それは、叔父や叔母が、怖い人だったのではなく

叔父や叔母の瞳の奥に棲みついてしまった

取り返すことの出来ない悪夢の影の

圧し掛かるような息苦しさを

風にたなびく空虚な片袖や、不自然な形に歪んだズボンの裾先に

時折見せる、淋しそうな背中から

幼いながらも嗅ぎ取っていたからなのかもしれません。


あの頃の幼い私達のように、”恐ろしいこと”として、

胸に響く戦争の苦悩を、語ってもらうことも、傷痕を目にすることも

今のこども達は、経験することはないでしょう。

それでも、戦争の悲劇と恐ろしさを

語る人の姿勢から、しっかりと受け取ることができると信じています。




今年の夏、北九州市の小倉で、「九州こどもホタレンジャーサミット」

が開催され、参加した日の夜の散策中に、

『山田緑地』の中にある旧日本軍の弾薬庫跡を偶然目にしました。



今では、すっかり緑に覆われ、案内のガイドの方から

教えていただかなければ、素通りしてしまうほどでしたが、

若いガイドの「あの長崎に落とされた原爆は、

本当は、この場所に落とされるはずでした。」と、

原爆が投下されたことが問題であって、

原爆の投下先が、問題になるわけではないのですが

少しだけ声のトーンが変わったことに、

戦争の傷痕から、目を反らさない誠実さを、感じることが出来ました。



『山田緑地』は、かつて旧日本軍の弾薬庫として

使用され、第二次世界大戦の後に米軍に利用されてのち、

昭和47年に返還されるまでの約半世紀、

一般の人の利用は、厳しく制限されていたために

今も尚、昔のままの豊かな自然が残されているそうです。

もし、原爆が落ちていたとしたら、この緑地に生息している

沢山の生きもの達も、今の姿のままに生き残ってはいなかったでしょう。



『山田緑地』の豊かな自然は、

奇跡のような偶然で、原爆の被害と、

その後の開発の被害から逃れたのだと云えるのかもしれません。


沖縄や、この久米島にも、

そういう場所や、人が、まだ少し、残されています。

でも、語ることが継承され続けなければ、

『山田緑地』のように、原爆の悲劇を想像することが出来ません。



私は、日本という国が、過去に犯した戦争という過ちを、

悲劇として、忘れるだけで、済ましてはいけないと想います。

本当に信じられないほどの命と命が、

殺しあわなければならなかったという恐ろしさを

繋ぎとめ、悔い続けなければなりません。



それは、怨み続けるためでなく、許し続けるために

忘れてはいけないのだと想っているのです。




 
2007年06月03日(日)
5月末、今年も、久米島全土の集落清掃が、

アブシバレー(畦払い)の行事として行われました。

ホタル館を閉めることが出来ない私達の代わりに息子達が、

近所の子どもたちと一緒に、久間地集落のゴミ拾いをしてくれました。

とても、頼りになります。


この島では、一家に一台、草刈機が必要だと思われるほど、

雑草の伸びが速く、刈り取って綺麗にしても、

2〜3ヶ月ほどで、ほとんど元に戻ってしまいます。

そのため、人手の少ない集落や

管理しきれない農地を持っている方の中には、

除草剤を散布する方も居られます。


不自然な色をして枯れている草の直ぐ横で、

野菜やサトウキビが青々と育っているのを、目にするたびに

こうした状況を当然としなければならない現状を、

多くの人が我が事として

「怒ってほしい」「嘆いてほしい」と願わずにいられません。


草を刈るのは、大変な重労働ですが、除草剤を散布することで起きる

様々な被害を、本当に知っている人ならば、

その労力を厭う事は絶対にありません。


実際に、この島でヤギを飼っている人は、

除草剤を散布した辺りの雑草を餌にすることを避けるために、

朝、夕、軽トラックで島中駆け回って、餌の草を探し回っています。


時には、ホタル館の敷地に植栽している

シマグワやオオバギまでも刈り込んでゆくこともありますから

本当に、除草剤の散布は

至るところで行われているのかもしれないと考えてしまいます。


そんな、曇りがちな思いを吹き飛ばしてくれたのが、

この年の集落清掃でした。

久米島ホタル館にアクセスするための農道の上手側を

自衛隊の皆さん、下手側を大田集落の皆さんが、

今年一番の暑さの中、勇ましい草刈り姿で

朝の8時30分から2時間かけて、

車道まで繁茂する雑草を刈り込んでくれたのです。

皆さん、本当にありがとうございました。


今年は、過疎化が進んで、若い人の少ない私の暮らす久間地の集落でも、

その周辺の集落でも、そしてもちろん、ホタル館の周辺の草刈作業にも

驚くほど沢山の方々が、参加していました。


先日ホタル館に来てくれた2人の中学生も、

「何か手伝わせてください。」といってくれたので、

皆さんが刈り取ってくれた農道のゴミを、

私が燃えるゴミ、彼らが缶やビンなどの不燃ゴミと

分別しながら拾って歩きました。


最初は、目立つゴミしか拾えなかった彼らですが、

ビールの空き缶が入ったビニール袋を

開いて分別しながら振り分けると、何かが吹っ切れたように、

小さなタバコの吸殻やキャンデイの包み紙まで拾い始めました。


そのとき、

「小さいゴミを拾い始めると、ゴミが気になるようになったなぁ。」

と言った言葉が、私の耳には、嬉しくて嬉しくて、

たまらずに、草を刈る方々に向かって、ついつい

「この子達は、ボランティアでゴミを拾っているんですよ。」と

大声で叫んでいました。


笑顔で振り向くみんなの顔は、汗にまみれて、

なんとも素敵な島んちゅの魅力に溢れています。


「あっ、しまった、みんなボランティアだったねぇ。」

と気付いたのは、両手いっぱいのゴミをホタル館のゴミ箱にいれて、

冷たい麦茶をゴクゴク飲み干した後でした。


一段落して、自衛隊の皆さんや久間地集落の皆さん、

大田集落の皆さんに差し入れを持って行き

「今年は皆さん、本当に沢山の人が参加してくださって、

良かったですね。」と声をかけると

「後押ししてくれる人がいたからだよ。」と、

本当に清清しいやさしい笑顔でおっしゃってくださいました。


この日の一斉集落清掃に多くの島人が、参加することがことができたのは、

区長会での話し合いが、協力的に進んだからだと聞きました。


こうした、話し合いがこれからも進んでゆけば、

草を刈ることが出来ないからと、除草剤の散布をしていた場所の草を

みんなで刈る事が期待できるような気がします。


過疎が進んで人手の少ない集落への協力を、島に暮らす人々が、

補い合うことで、除草剤の広域の被害を防ぐことが、

出来ることを切望しているのです。


今、除草剤の散布によって、被害の状況がはっきり解るのは、

多くの人が気付くことの無い、川にいる生きもの達の消滅です。

でも、そのうちに、鳥へのダメージが、急速に現れるでしょう。


目に見える被害が現れるまで、何もせずにいることが、

どれほど愚かな末路になるかを

もう既に、私達は、高度成長期に起きた公害病で学習済みの筈です。


雑草は、大きな木を育てて、森を保全してゆくことでも、

随分少なくなります。

森を畑に変えるだけではなく、畑を森に変えることも視野に入れた

効率の良い草刈作業をこれからは、しっかりと話し合い、

協力しあって行くことで、人手の変わりになるからと、

無謀に除草剤を散布し続けることを

避けることが出来ればと考えているのです。

 
2007年05月22日(火)
久米島ホタル館は、2007年5月1日より、職員削減のため

毎週火曜日の休館日が、月曜日と火曜日に

午前9時30分の開館時間が、午前11時からに変更になりました。



ご利用になられる方々には、大変ご迷惑をおかけしますが、

ホタル館の展示内容や様々な取り組みに関しては、

これまで以上の充実を、館長やホタルの会のメンバーで支えながら

頑張っていきたいと考えています。


久米島ホタル館では、ホタルとホタルに繋がる生きもの達を

久米島の自然環境を理解するための案内役として

飼養展示しています。


ホタルたちが生存するためには、ホタル以外の様々な生きもの達が、

食物連鎖のつながりや関わりを持って、この島に生存しているということを

理解してもらいやすくするためでもあります。


ホタル館内の生態展示の中には、

地域に生息している生きもの達は、もちろんですが、

その生態系を撹乱することになる外来生物や

毒を持った危険な生きもの達の展示も、

説得力のある視覚的説明をおこなうために必要だと考え

国や県から特別に許可を取って飼育展示している生きもの達がいます。



ホタルを鑑賞する際に、野外で一番注意しなくてはいけないハブを

多くの人に理解してもらうために、沖縄県から正式な手続きを経て

特別な展示ケースを設置して安全に見ていただくようにしています。

館内展示ガイドの際には、その許可を得た展示ケースについても

しっかりと説明することにしています。


それは、生きものを飼育・展示するするにあたっては、現在、法的に

多くの規制があり、責任があることも知ってほしいからなのです。



たとえ、それが、かわいい小鳥や嫌われもののハブだとしてもです。


以前、ホタル館を訪れる方々の中に、

東京の自宅マンションで、ハブを飼育したいと、

とても軽く話す若い男性がいました。

「なぜ、ハブを飼いたいの?」と聞くと

「だって、毒をもっているってカッコいいから!」と即答します。

「もし、ハブが逃げたらどうするの?」と聞くと、「・・・・?」

そんなこと、考えてもいなかったようです。


「生きものが好きなんです。」

「嫌われ者のハブなんかもぜんぜんOKです。」なんて言われても

人間社会の中で、ペットとして野生の生きものを飼うことは、

絶対に出来無いことですし、まして毒のあるハブが逃げ出したら

大変な迷惑を多くの方にかけてしまいます。


今、一番心配されているツボカビに関しても、飼育者のうっかりで

地球上のカエルが絶滅してしまうとしたら・・・。


こうした偏った想いで、社会のルールからはみ出して

飼育される生きもの達の最後は、人間や自然環境との関わりの中で

お互いを、とても悲惨な状況に追いこんでしまいます。

中でも、ミドリガメ(緑亀)、ゼニガメ(銭亀)として

大量に販売されているミシシィピーアカミミガメやクサガメは、

久米島でも、沢山見つかっています。すべて、もともと、ペットとして

家庭で飼育されていたものだと思います。



こうして野外に棄てられたペットのカメたちも、久米島ホタル館では、

啓蒙のために飼育していますが、そのカメたちの

里親制度を今年6月から開始しました。

嬉しいことに、既に3人の中学生がエントリーしてくれています。


現在、こうした生きものを飼育することの責任の重さを、

ホタル館を通じて日々、実感しているのです。






 
2007年03月20日(火)
久米島を訪れる多くの方々は、
この島の緑の風景や青く澄んだ海を求めて来られます。


近年は、情報の広がりによってその緑の風景や青い海を構成し
支えている久米島固有の生きもの達のつながりもまた、この島の魅力だということにも精通した方々が、年々増えてきています。

こうした自然環境を保全するためには、
島の外から持ち込まれる生き物たちからの影響にも気をつけなければいけません。

人の生命・身体への被害を防止し、日本の自然生態系や農林水産業に深刻な被害を与える可能性が高いとされる外来生物については、2005年に6月に特定外来生物対策法(特定外来生物による生態系等に関わる被害の防止に関する法律)が施行され、その可能性のある外来生物を特定外来生物に指定し、その被害を防止するための措置と罰則を定めました。

「特定外来生物」について違法行為があった場合は、
中でも、不正に輸入したり、逃がしたり、売買した場合は、

最高で懲役3年、罰金300万円(個人)、若しくは1億円(法人)が科せられる場合もあるといいます。

しかし、特定外来生物の指定は少なく、現在85種類が指定されていますが、それ以外にも多くの種類(2000種類以上)が侵入した記録があり、定着の機会をうかがっています。

特に、貨物や物資、人・花木・動物などの移動によって非意図的に国内に侵入した外来生物や、バラスト水や船体に付着して国内に持ち込まれる海産汽水性の外来生物は規制の対象に含まれていません。

そのため、離島には既に多くの非意図的外来生物が侵入し、それらの外来生物によって、自然生態系や農林水産業などに多大な被害が及んでいるというのが実態です。

特定外来生物対策法は、指定された「特定外来生物」の、飼育・栽培、運搬、保管、輸入、販売、譲渡・譲り受け、野外に放つ・植える・蒔く、などの行為を禁止していますが、その意図性を証明することは非常に困難な状況です。

久米島では、次の特定外来生物が侵入定着、あるいは記録されています。

■特定外来生物■

(植物)オオフサモ(パロットフェザー)、ボタンウキクサ(ウォーターレタス)

(両生類)ウシガエル、シロアゴガエル


(魚類)ブルーギル、オオクチバス(ブラックバス)(クモ)ハイイロゴケグモ


(扁形動物)ニューギニアヤリガタリクウズムシなど


他に沖縄県では、ジャワマングースやタイワンスジオ、タイワンハブ、オオヒキガエル、カダヤシなどが拡がり、大問題になっています。

しかし、実態として、一般的に害虫や雑草と呼ばれている多くの身近な動植物や、病気をもたらす微小な生き物(病害虫と呼ばれ、病気の原因となる原生動物や細菌、菌類、ウイルスなど)、土壌や水中の外来種も含めると、その被害の実態は、上記「特定外来生物」による被害を遥かに上回る規模になることは容易に想像できます。


久米島の自慢の風景は、松くい虫(マツノマダラカミキリが運ぶマツノザイゼンチュウによる松枯れ病)が、侵入していない白砂青松として風光明媚な景観です。

その非意図的侵入によって無残にも松林や、国指定天然記念物の五枝のマツも始め、町指定文化財のマツまでがすべて枯れ果てる可能性があります。

そのことは、島に住む住民だけでなく、観光客やビジネス客も含め、入域の際はよほど気をつけなくてはならない事態になっていることや、温暖化により、沖縄南方から来た外来種の定着はより容易になると考えられるので、
意図的持込だけでなく、非意図的持込の際にも注意が必要だといえます。


私は、久米島で暮らし大切に想う気持ちから、ホタルの舞う美しい島を目標に詳しいお問い合わせを下記の連絡先として、これからも多くの人への注意と、協力を呼びかけていきたいと考えています。

《ご問い合わせ連絡先》
久米島町環境保全課     985−2003
久米島町教育委員会     985−2287
久米島ホタル館       896−7100
環境省那覇自然環境事務所  858−5824
沖縄県自然保護課      866−2243
沖縄県動物愛護管理センター 945−3043

 
2007年01月29日(月)
今年も、母の手作りのムーチーが届きました。

沖縄本島と久米島は、それほど遠くない距離だとおもっていたのですが、

生活の基盤が違ってしまえば、なかなか逢うことが出来ず

気が付けば実家は、遠い故郷になってしまいました。

年老いた母からの小包には、

我が子に対してのやさしい気づかいと

いくつになっても母としての気丈さが溢れていて、

サンニンの清清しい香りとともに、

今の平和な時代を、心からありがたく想うのです。


ムーチーは、旧暦12月8日に、

家族、特に子供たちの健康を祈願する仏前へのお供えものです。

私の実家で母が作るムーチーには、

普通のムーチーと鬼餅(ウニムーチー)の2種類を作り、

子供達には、願をかけたその大きな鬼餅を

年の数だけ特別に食べさせてくれました。


鬼餅の云われには、その昔、首里の金城に兄と妹が住んでいて

兄が大里に移ってから人を喰う鬼となり

妹はその兄を退治するために鉄の入った餅とふつうの餅を作って

自分はふつうのものを食べ、兄には鉄の方を渡したそうです。

鉄餅を食べられず困っている兄の前で、わざと着物の裾を開げ

下の口を兄の目に入れ、それは何かと兄に問わせました。

『上の口は餅、下の口は鬼を食べるのよ』と答えると、

兄は驚いて崖から転げ落ち死んでしまいました。

というのが鬼(厄)を払うありがたい鬼餅(ウニムーチー)の由来です。


けれども、食料の乏しい時代には、その言い伝え以外にも

幼い子どもに少しでも沢山食べさせてあげたいと願う親心から、

もしかしたら、鬼餅は作られたのではないかと想うのです。


食料に溢れたこの時代ですが、家族の多い我が家では、

ほんのときどき、夕餉のおかずの数が足りなくなることがあります。

そんなときは、ほしがる子ども達へお父さんも私も、

自分のおかずを当然のように分け与えようとします。

真ん中と下の子は、大喜びしますが、

分別がつき始めた10歳になる長男は、

「お父さんもお母さんも食べたいはずだから」と

けっして食べようとしません。

この時にふっと、想像したのが、この鬼餅の風習でした。


真に平等な人の暮らしというものは、強いものが、弱いものを補いながら

助け合って生きなければいけませんが、そのような関係は、

なかなか知ることができません。

そんな平等意識を頑なに偏って意識した場合には、

権力のあるものや優れた身体や頭脳

時には年齢などに応じた差別化が、

当然のように横行してしまうような気がするのです。

そんな時代背景から、乏しい食料を、弱者である小さな子ども達に

遠慮させること無く食べさせるために、このような言い伝えを上手に使った

親がいたのかも知れないと想ったのでした。


昔話の時代には、その伝説に由来した戒めが、

モラルとして通用しました。

今でも、鳥居を置くと不法投棄が減るというご利益などを、

耳にするたびに、その戒めの効力を感じることができます。

私達人間の暮らしの中に息づいている、言い伝えや行事には、

歴史を踏まえた時代時代のユーモアやアイロニーと共に、

心を育むためのモラルが込められています。

こうした一年に一度の沖縄の伝統食の一つ、

ムーチーを頬張りながら、その願いと美味しさを共に

大切な次世代へと、伝えるためにも

環境と平和の維持に努めなくてはならないと想いました。
 
2007年01月10日(水)
沖縄の風物詩サトウキビ畑、寒さが厳しくなる厳寒期。

この久米島でも、キビ倒し(ウージトーシィー)が始まりました。

しかし、なんとこのサトウキビ畑に巣を作ったキジバトには、

とんでもない災難が、おきてしまい、

畑の持ち主の配慮から

久米島ホタル館へとそのキジバトの雛は、持ち込まれました。


保護されて持ち込まれたキジバトの雛

ブログの『ホタルの国から』にも書いているように、

野生の生きもの達への介入は、けっして望んでいるわけではありません。

それは、何よりも野生の生きものを

尊重したいという気持ちが一番にあるからです。

理不尽なことに、野生の生きものをかわいがればかわいがるほど、

その生きものに関わりすぎてしまい、

生きもの本来の生き方ではなくなってしまう危険があるのです。

それは、多くの物語(例えば、ごんぎつね)や

映画(例えば、仔鹿物語など)にも描かれる様に

人と野生動物の宿命としての切ない別れとして、表現されています。

傷病鳥に関しても、彼らの生活圏である自然環境への

ある意味強引な介入によって起きる様々な障害への反省と

責任の自覚から進んで手を出していますが、

雛を育てることに関しても

原則として、できる限り避けたいとは考えています。

特に、身体の小さな小鳥は、腹持ちが悪く、日中1時間おき位に

餌を与えなければ、栄養失調の状態になりかねません。

      
アミハラ飼養14日目

何より大変なのは、食道と気道が、簡単に言えば、

開けた口の上と下にあって、ちょっとでも気道に餌が入ってしまうと

直ぐに窒息してしまうのです。

もちろん餌も、代用食がほとんどで、抵抗力が衰え病気にも罹りやすく

苦労して一人前に育てて放鳥しても、はたしてどれほど生きてくれるのか?

そういった不安もあります。

その上で、どうしても親鳥に帰せないのであれば、残念なことに

腹を決めて飼養するしかありません。

以前育てたのは、外来種のアミハラ(シマキンパラ)という鳥ですが、

小さな子供が、「たすけて下さい・・。」と、差し出すその手の上の

わずか、4グラムの命をほっておくことができず、今とは違って

獣医師に頼ることもなく、どうしたらいいのか試行錯誤で、

爪楊枝の先に餌をつけて、夜明け前から夜ふけまで、

本当に我が子を育てるように、一生懸命愛情をそそいで飼養を行いましたが

アミハラ飼養開始直後

もうあと少しで、羽毛が生えそろうという処まで来て、

たった一回の誤嚥が、このアミハラの命を落としてしまいました。


確かに大きくなっても、一生を鳥かごの中でしか

過ごさせることができない外来種の鳥でしたが、

その後しばらくは、とても辛いものでした。

それでも、生きものに対して人の持つ憐憫の情を

受け止めることは、環境を守る上で大切なことだと想い

雛鳥の飼養については、今でも十分に考慮したうえで

私にできることであれば、惜しまず励みたいと想っているのです。


 
2006年11月09日(木)
今年で3年目の、久米島町教育委員会主催、

沖縄県南部農林土木事務所共催の

カンジンダムでのリバーウォッチングに

久米島ホタルの会は、参加協力しています。


この活動に関わるのは、カンジンダムの上流に生息している

クメジマボタルを保護することは、もちろんですが、

何よりも、水をめぐる自然環境の中で、私達人間の自然への関わり方が、

全ての生命・生態系の多様性を未来に向かって保持し持続するという

生存に関わる大きなテーマとして、

できるだけのことを行いたいという考えの中、

地元でできる取り組みのひとつだからなのです。


カンジンダムは、農業用水を利用する農家の方々のために

沖縄県の税金を投入され造られました。

通常のダムは、上流にある川を堰き止めて造られることが多いのですが、

このカンジンダムは、地表潅水型地下ダム という世界で唯一つの構造をした

特殊なダムです。

しかし、懸念される問題に地域住民の生活排水も流れ込み溜め込まれる

位置にあるため水が汚れてしまいます。

県から、水をきれいにしたいのだが、予算は限られているため

なにか方法は無いものかと、例えば棚田は可能だろうかと、

当初ホタル館へ相談がありました。

そこで、棚田だけでなく、生物の力を借りた自然浄化システムとして、

ホタル水路や湿地も同じような働きが期待できるので、

それらをうまく組み合わせた浄化能力に優れたシステムを

流れ込む川の状態に合わせてゾーニングしながら造ってはどうかと、

提案しました。


.曠織訖縅と湿地棚の組み合わせ

ホタルが生息する河川の流れ込み口にあたる場所では、

ダム湖への流出防止を兼ねたホタル水路を設置し、湿地を樹木で覆うことで

ホタルを生かすために富栄養物をゆっくりと浄化しながら通過させます。

その後、湿地棚(棚田を湿地に再生する)へと合流し、吸収されず残された

富栄養分をさらに取り除いていくという、生きものの繋がり(食物連鎖)

を利用した除去法を行います。

もちろん、繁茂しすぎれば草刈を行い、水草も取り除きます。


⊆消話の徹底管理

クメジマボタルが生息できない

畜産排水や生活排水による富栄養化が進んでいる川の流れ込み口では、

ヨシやヒメガマなどを植栽し、徹底した植生管理を行いながら、

微生物分解と分解物の植物への吸収に期待しながら、

定期的に除水草や草刈を繰り返すことで富栄養分を取り除きます。

もちろん、多くの生きものが生息できる湿地環境を目指します。


E租的棚田の復活

クメジマボタルが生息できない

川沿いに大規模に畑が広がり、雨が降ると大量に肥料や農薬が

赤土に混じって流出する、生活排水も流れ込む川の流れ込み口では、

稲や田芋など田んぼで栽培できる作物を、昔ながらの農法により、

上流側から流れ込む富栄養分を取り除きます。

当面は、通常の田んぼを経営し、広域の棚田を維持します。

ボランティア団体で管理運営できるよう計らいながら、将来は

栽培法をダムの水を浄化するのにふさわしい経営法、すなわち、

無農薬不耕起栽培で行う伝統の棚田の復活を目指します。


このように、作物や自然の生きもの達をダムの周囲を囲むように配置し

流れ込む水がゆっくりと配置された作物や生きもの達に取り込まれ、

浄化されたあと最終的にダム湖内に集まるという方法を提案し

それは、巨大な棚田として実現し造られたのです。

しかし、それは、

浄化システムを担う様々な生きものを順次導入する必要もあり、

また、富栄養分を取り込んだ植物を定期的に取り除き、

かつ、樹木を大きく育てながら、酸欠にならないように影を造って

低水温を維持することで、生かすことができる生きものの生息場所の

確保や、移動性の弱い生きものを導入したり、

野鳥を確保して人が立ち入らない場所をつくらなければならないなど

常時、自然環境への目配りが必要になります。

               放流するために準備したフナ

生物の食物連鎖を利用した天然の浄化システムという方法は、

コストは、かからないかも知れませんが、軌道に乗るまでは、

細やかな対応が常に必要です。

それに、いくら生物で浄化するといっても、

赤土対策が十分でない農地の経営や生活排水をそのまま垂れ流す

ような生活様式では、巨大な棚田をいくら配備しても

とても浄化はできません。

そこで、沖縄県では、久米島住民の環境への姿勢を変えるために

様々な取り組みを行うことになりました。

その一つが、リバーウォッチングの推奨です。

  
           放流や植栽するための準備をするスタッフ

久米島町教育委員会では、この県の取り組みを踏まえて、

何よりも地元の子供達が、島の自然環境に興味を抱き、学習面での

効果を期待すると共に、クメジマボタルが生息する島の貴重な自然を

みんなで、守り育てていく心を育んで行こうという想いから

久米島ホタル館、久米島ホタルの会の協力と共に沖縄県環境保全課の

学習システムを導入して実行しています。

この日も、この活動のために、協力してくれた方が沢山います。

ここまでたどり着くために、本当にいろいろなことがありました。

今年で3回目を迎えることができホタルの国からに書いているような

成果が見られ始めました。

この成果は、この先の活動への励みにもなりました。

まだ、始まったばかりの自然浄化システムを起動に乗せるため

多くの方々のご協力がまだまだ必要です。

どうか、このダムの水が本来の目的であるきれいな農業用水として

生かすことができるよう、ご理解していただきたいと心から願っています。


 
2006年10月19日(木)
10月にはいって、久米島では、スポーツイベント真っ盛りです。

22日の久米島マラソンには、

この久米島で走るために大勢のランナーが、来島するようです。

島のあちらこちらでもコースの清掃を行い、

沿道に花を飾るなどしてランナーの皆さんが、気持ちよく走れるようにと

気を配っています。

今回は、修学旅行の記念イベントとしても利用する高校もあるということで

例年にないほど、宿泊施設は満杯らしく、

ホームビジット制度による民泊もおこなっているそうです。

マラソン以外の毎週日曜日には、小学校の運動会

町民運動会、小体連のスポーツ競技があり、

久米島は、まさしくスポーツの秋一色になっています。

最初は、ここまでやるかと思うほど熱の入った島の人の一生懸命さに

ついていけないなあと思っていましたが、

島で唯一続いているという大岳小学校の敬老パレードには、

時代が忘れてしまった学校に対する地域住民の深い愛着意識が

根強く生きていて、思わず目頭が熱くなってしまいました。


この日ばかりは、おじいちゃんも、おばあちゃんも日ごろ入ることのない

学校の校庭に招かれて、誇らしげに孫の走る姿や踊る姿を見つめています。

お父さんも、お母さんも子供に昔の自分の面影を重ね

キラキラと輝く瞳が、本当に嬉しそうです。



投げやりな態度を生まないのは、子供達一人一人に

運動会の進行や参加しているという自覚が、

幼稚園生から6年生までしっかりと根付いているから

周りで応援する気持ちにも拍車がかかります。


今年から、飲酒運転を無くすため、父兄の慰労会の場から

ビールが姿を消しました。

運動会は、学校行事、子供達の晴れの場です。

地域行事優先、大人のための場所としてではなく、

学校行事としての運動会こそ、地域が誇れる宝物なのです。









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しまんちゅレポーター

佐藤 直美
著者:佐藤 直美
久米島ホタルの会
事務局代表
◆久米島ホタルガイド
◆久米島ホタルの会
◆ホタルの国から

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